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明治36年のジェットコースター

  • 2014/03/17(月) 21:00:28

上田恭輔
鶏肋集第七編・旅順戦跡案内の記(昭和2年刊)

突然ですが。ジェットコースターはお好きでしょうか?
自分はとてつもなく嫌いです。いや、嫌いとか言う前に、乗ると酔うのです。
以前、宙返りもほとんどないコースターに乗って吐きそうになってからまず乗らなくなりました。
それでも好きな方はいるようで、最近では背中から落ちるとか、足がぶらぶらするとか、聞くだけで悪寒の走るようなものもあるそうですね。

さて、全然関係なさそうなこの本、内容としては日露戦争旅順要塞の攻防戦古戦場を、自身や関係者(第三軍参謀・津野田是重やイギリス陸軍元帥・キッチナー)などのコメントを引きつつ案内するものです。この上田さんは軍人ではなく、台湾総督府から日露開戦後に通訳として雇われた人物のようです。彼の文章「営口占領当時の思い出」に、戦時の交通事情がでてきます。

当時、朝鮮から満州方面に北上進軍、得利寺まで占領していた日本軍でしたが、物資運送の手段である鉄道に問題を抱えていました。ロシア軍の手により、機関車が使えなかった(持って行かれたか、壊されたかは不明)のです。日本の鉄道と満州のロシア敷設鉄道はレールの幅が違うため、日本の機関車を持ってくるわけにもいきません。
そこで、日本軍は残っていた貨車を地元の労働者に人力でひかせて動かしました。そして、丘のてっぺんまで運ぶと

…急こう配を利用し、一瀉千里の勢いで普蘭店駅(満州軍総司令部駐屯地)まで一足飛びに滑走さすのである(pp148)

このジェットコースター、問題はブレーキが甘いものだったようで、上田さんが乗った前日の車両はオーバーランの挙句、次の駅に止まっていた車両に激突。死傷者を多数出したそうです。おお、もう…

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無双のひと

  • 2014/03/09(日) 12:28:15

塙団衛門の墓


戦国時代の最末期…というか、江戸時代のはじめを告げた、大坂の陣。慶長19年(1614)の冬の陣、慶長20年(1615)の夏の陣、このさなかには個性爆発な侍たちが大坂に集結し、最後の大逆転(個人的な意味で)を策していました。元大名一門の真田幸村、長曽我部盛親、毛利勝永。重臣クラスの後藤又兵衛(旧黒田家)、明石全登(旧宇喜多家)なんかは有名です。
ですが、それ以外にも豪傑がそろっていました。平穏な時代じゃ生きられなさそうな、いわゆる戦馬鹿。その一人が、塙直之、別名塙団衛門です。「はなわ なおゆき」と「ばん だんえもん」で名字の読み方がなぜか違います。出身は尾張だとか、織田家旧臣の塙(原田)直政の一門とか言われていますが、よくわかりません。一応、「賤ヶ岳七本槍」の加藤嘉明の臣下として活躍していました。朝鮮出兵の際、二人で藤堂高虎の軍勢を出し抜いたり(名将言行録・巻31)していますが、結局加藤家にいずらくなり、出奔しました。理由は、関ヶ原の戦いにて部隊指揮官なのに部隊ほっぽりだして単騎突撃したんだとか。しかも鉄砲隊指揮官なのに白兵突撃。嘉明はスタンドプレー大嫌いだったので、ブチ切れたようです。で、それで反省したかと思いきやそんなわけはなく、冬の陣では夜襲を敢行し、蜂須賀陣を混乱させ、去り際に「夜討ちの大将、塙団衛門」と書いた木札をまいていきました。押しの強さが仕官につながるのが戦国武将ですが、彼はその典型です。
そして迎えた最終決戦、夏の陣。大坂城が裸城になった豊臣家は、野戦での決戦を行います。包囲する徳川軍の背後を混乱させるため、大野治長らは一計を案じます。当時浅野家が治めていた紀州和歌山藩で一揆を起こさせ、同時に豊臣軍を進撃させ浅野軍を破る。直之ら豊臣軍が南進、浅野軍と現在の泉佐野市樫井で交戦しました。
ここでも、直之は戦馬鹿ぷりを発揮します。淡輪重政(たんのわ しげまさ)らと先陣を争って吶喊。雑兵を手ずから討ち取ってまわりました。しかし、彼個人の武勇でもいかんともしがたく、ついにはこの樫井で討ち死にします。墓は淡輪の墓近く、紀州街道沿いにあります。紀州と泉州の境、雄の山峠まで自転車でもわずか2時間程度の場所です。
個人技の達人、リアル無双な直之が江戸に生き残っていたら、どうなったでしょうか?武勇で立身できたでしょうか。宮本武蔵やかぶき者の末路を見る限り、本意を遂げる人生は送れなかったのではないでしょうか。むしろ、個人技をいかんなく発揮し、豪傑として記憶に残ったことが、自己顕示のつよい彼の最期としてふさわしかったように思います。


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